家族の介護で仕事を辞めないために|50代女性の相談から考える介護離職への備え

介護離職というと、「親の介護」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

しかし、実際の相談現場では、それだけではありません。

以前、私がFPとしてご相談をお受けしていた際に、50代の女性からこのようなお話がありました。

「両親のことも心配ですが、独身のおばもいるんです。もし何かあったら、たぶん私が見ることになると思います。」

こちらの相談者が一番不安に感じていたのは、「誰が介護を担うのか」だけではありませんでした。

「おばはどれくらい貯蓄があるのか分からない。」
「もし介護費用まで自分が負担することになったらどうしよう。」

将来への漠然とした不安を抱えながらも、お金のことは聞きづらく、話し合うきっかけもありませんでした。

今回は、こちらのご相談者も不安に感じていた、介護にかかる費用について見ていきましょう。

目次

介護にはどのくらいの費用がかかるのか

介護は、突然始まることが少なくありません。

生命保険文化センターの2024(令和6)年度調査によると、介護期間の平均は約4年7か月です。

また、住宅改修や介護用ベッドの購入など、介護開始時には平均47.2万円の一時的な費用がかかり、その後も月々平均9.0万円の介護費用が必要になるという結果が示されています。

※もちろん、これはあくまで平均値です。

大切なのは、「平均でいくらかかるか」ではなく、自分たちの家族の場合、どのような備えが必要になるのかを早めに考えておくことです。

介護離職を防ぐために、元気なうちから家族で話し合う

そこで私が相談者へお伝えしたのは、「お金の話を切り出してください」ということではありませんでした。

まずは、自分自身の将来について話してみること。

例えば、自分でエンディングノートを書いてみたことを話題にしたり、「こんな講座を受けたんだけど」と自然なきっかけをつくったりすることです。

自分の考えを先に伝えることで、相手も話しやすくなります。

介護離職は、介護が始まってから起こるものではありません。

「誰が支えるのか」「費用はどうするのか」が曖昧なまま時間が過ぎ、仕事との両立が難しくなったときに現実の問題になります。

だからこそ、元気なうちに家族で話し合うことが、介護離職防止への第一歩です。

介護への備えは、お金だけではありません。

家族との対話も、大切な備えの一つだと私たちは考えています。

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この記事を書いた人

高橋 里依のアバター 高橋 里依 ファイナンシャルプランナー

歯科業界を中心に、司会業や学習塾講師など幅広い分野で経験を経て、2018年に外資系金融機関へ転職し、ファイナンシャルプランナーに従事。

家族の介護・認知症を経験したことをきっかけに、現在は介護×ビジネスゲーム「けあとの遭遇®︎」を活用した体験会や介護セミナーを、対面・オンラインで開催。自身の経験とFPとしての知見を生かし、介護を身近なテーマとして伝える活動に取り組んでいます。

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